グリッドの資源割り当てと採用活動の比較

グリッドの資源割り当てと採用活動って似てるよな.

グリッドの資源割り当て

「資源利用者」と「資源」からなる.資源には CPU 速度,メモリ容量などの能力がある.資源利用者は,資源の候補から,自分の仕事をやるのに必要な複数の資源を借りる.ここで,資源の候補から仕事をやるのに必要な複数の資源を選び出す(資源選択)方法が重要である.

比較

資源割り当て採用活動
資源選択応募者選考
資源利用者会社
資源応募者
資源の能力応募者の能力
仕事に必要な資源を選ぶ能力の高い応募者を採用する
資源に支払うサービス料社員に支払う給料
資源利用者の優先度会社の魅力
サービス料の高い仕事が優先される魅力の高い会社は応募者が多い

つまり,資源利用者の立場から資源割り当てを考えるために,会社の立場から採用活動を考えることは価値があるかも.

資源の候補が多いとき

採用活動では学歴フィルタが使われているかもしれない.また,あまりに応募者が多ければ,エントリーシートで紙飛行機を折ってよく飛んだものを…なんてこともあり得るかも.また,大学入試で考えてみても,センター試験を利用して足切りしている.
→ 「学歴」みたいにある程度,資源の能力のレベルが分かるような指標でざっくり決めてしまうか,最初はランダムに絞り込むといった方法が考えられる.

どのように資源を割り当てるか

会社の魅力や応募者の能力は一次元で表せないことが多い.ここで,仮に全ての会社の魅力と全ての応募者の能力が分かったとして,最適(でないにしてもある程度うまくいく)な社員の割り当て方はすぐに思いつくだろうか?グリッドの資源割り当てに置き換えても同じくらい難しそうに感じる.

インターネット全体など,大規模な資源選択システムの構築

大規模な資源選択システムの構築を考えるなら,全国,全社的な大規模採用活動を実現する方法を考えてみるのもよいかもしれない.
例えば,大学入試におけるセンター試験のように,採用活動でも「全国統一採用試験」みたいなことをやって,成績上位者から好きな会社に入社できるようなことにならないかな?
→自社の魅力をアピールできない会社は,まともな人材が入って来なくなるのは困るので,システムの構築に否定的な立場を取るだろう.
→「全国統一採用試験」のようなシステムを作るには,1.大会社が集まって土台を作る,2.応募者が組合を作って(リクナビみたいなものでも可)会社に圧力を掛ける,3.神様,政府などが作る,などが考えられる.
→そのまま,グリッドの資源割り当てに置き換えると,「大規模な資源選択システム」を作るには,1.高いサービス料を払える資源利用者が集まって資源選択システムを発注する,2.資源を持っている側が組んでシステムを作ってしまう,3.学会や標準化団体が頑張る,などの方法が考えられるかも.